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お餅の“良き友”、餡子(あんこ)の歴史をひもとく
私たち日本人にとって、餡子(あんこ)はとても身近な存在です。
おはぎ、大福、どら焼き、たい焼き……
何より、お餅のお供に欠かせない逸品です。
そして、和菓子の数々に欠かせないこの甘いペーストは、実は長い歴史の中で少しずつ姿を変えながら、
今の形へと進化してきました。
今回はそんな「あんこの歴史」を少しだけ深掘りしてみましょう。
■ あんこのルーツは中国から?
あんこの起源をたどると、そのルーツは中国にあります。
中国では紀元前から「餡(あん)」という言葉があり、元々は肉や野菜などの詰め物を意味していました。
日本にも奈良時代(8世紀ごろ)に唐の文化が伝わった際、「餡」という言葉と技術が伝来したと考えられています。
ただし、当時の「餡」は、今のような甘い小豆ペーストではなく、
塩や味噌で味付けした野菜や肉の詰め物だったのです。
■ 小豆餡の誕生と甘味文化の始まり
日本で小豆を使った餡が作られるようになったのは、平安時代(8〜12世紀)以降。
仏教の影響で肉食が禁じられたこともあり、次第に植物性の食材が用いられるようになります。
この頃から、小豆を煮て潰した「小豆餡」が作られはじめました。
ただし、当時はまだ「甘く」はありませんでした。
砂糖が高級品だったため、塩や醤(ひしお:醤油の原型)で味付けされた「塩あん」に近いものでした。
■ 江戸時代、砂糖の普及で甘いあんこへ
あんこが本格的に「甘く」なったのは江戸時代に入ってから。
鎖国下でも長崎の出島を通じて砂糖が輸入され、徐々に国内でも精製されるようになったことで、
和菓子文化が一気に花開きます。
この時代、今のような「こしあん」「つぶあん」などのバリエーションも誕生し、
茶道の普及と共に、あんこを使った美しい和菓子が発展していきました。
■ 現代のあんこ文化とその多様性
現代では、あんこは和菓子だけにとどまらず、洋菓子との融合やパンとのコラボ(あんぱんなど)、
さらにはアイスやドリンクにも使われるようになりました。
また、小豆だけでなく、白いんげん豆やかぼちゃ、栗などを使った「変わりあん」も人気です。
近年では、海外でも「アンコ」は注目されており、ビーガンやグルテンフリーのスイーツとしても親しまれつつあります。